【腹部エコー】症例7 門脈圧亢進?

こんばんは!sonoです。
今回の症例は、なんじゃこりゃ、となったものです。
みぞおちの痛みがあって、採血とエコーのオーダーが出ました。
ではいってみましょう。
portal sandwich sign
みぞおちにプローブを当ててみるも、お腹の中がほとんど見えません…泣
かろうじて膵頭部が見えて、膵内胆管の拡張が確認できます。約8〜10mmほどです。
可視範囲内では内部に結石等はみられません。

続いて肝臓を見てみると…ん??なんだこれは…
肝内胆管の拡張とはちょっと違う。。
とりあえずカラーを当てると、脈管の真ん中にカラーが載って、その上下に低エコー 部分が見えます。
真ん中のカラーが載る部分は血管であることは分かりました。
これが門脈なのか、肝動脈なのか…。
血流波形の確認をしたらよかったですね💦
拍動波か定常波でどちらか分かるはずですから…後から気付きました。
どう頑張っても、肝臓の中は見えにくくて、悩みながら肝臓をみていきます。
S2に低エコー SOLがあります。
肝実質のエコー輝度増強があり、脂肪肝です。

胆嚢は、やや大きい印象で、短径約35mmと、微妙な大きさです。
壁肥厚はありません。

胆嚢内部に胆砂胆泥があります。
胆嚢頸部に音響陰影を伴う結石も認めます。

右肋間走査でも、門脈と思われる血管がえらく低エコーで目立ちます。
内部エコーもあるような、、
というか、こんなに抹消の門脈は太く描出されないよね…?
エコーでは、これ以上のことは分かりませんでした。
家に帰ってから、調べまくると、
これ、portal sandwich signですよね。特発性門脈圧亢進症に特徴的なやつ。


次は、しっかりと所見が書けるようにしよう。
ちなみに、この患者さん、総ビリルビンが9.9もあって、γ-GTP797、AST320、ALT 723、LDH 423、ALP303で肝胆道系酵素がめっちゃ高い。
WBC9800、CRP2.93と炎症も軽度上昇あります。
このデータを見て、すぐに他院紹介となりました。
門脈圧亢進症の勉強ノート
portal sandwich signは特発性門脈圧亢進症(IPH)に特徴的。
門脈圧が亢進しているサインだから、門脈の拡張とか、逆流がないかとか、側副血行路や脾腫等を気にして検査しないといけなかったですね。

それから、portal sandwich signに似ているPPCS(pseudo parallel channel sign)とparallel channel signの違いも覚えておかないとです。
- portal sandwich signは門脈圧亢進症
- PPCS(pseudo parallel channel sign)(肝動脈の拡張)はアルコール性肝炎
- parallel channel sign(胆管の拡張)は閉塞性黄疸
今回は、ちょっと。。いや、かなり悩みながら検査しました。
何で、総胆管が拡張していたのかも分かりませんし、総胆管拡張があったので、肝内のあれは肝内胆管の拡張??と一瞬悩んでしまいました。
他院のエコーやCTの結果が知りたいところですが、残念ながら今のところ詳しい結果が返ってきていないのです。
また他院結果がわかれば、追記しますね。
他院結果返ってきました↓
