【腹部エコー】症例6 胆嚢腺筋腫症と急性胆嚢炎?

こんばんは!sonoです。
エコーの紹介したい症例がどんどん溜まっていって、ブログの編集が追いついていきません^^;
毎日眠いんですもの。
さて今日は急性胆嚢炎?な症例です。
毎回毎回、曖昧な所見を返してすみません…💦
胆嚢線筋腫症と急性胆嚢炎どっち?
右季肋部の軽度圧痛の患者様で、Murphy’s sign(−)。
原因検索でエコーのオーダーが出ました。

皆さんなら、パッとこの画像を見てどう思いますか?
胆嚢は短径37mmで、軽度腫大しています。
胆嚢腫大の目安は4×8cmですよね?でも、本によっては35mm以上と記載しているものもあるし、その時の見た目の印象で判断と書かれています。緊満感があるかどうか、とか。
胆嚢は軽度腫大かな??
右季肋部痛も軽度あることだし…、胆嚢炎かな…?と第一印象で思いました。
もう少し詳しく観察すると、内部に結石とデブリ様エコーがあります。
胆嚢壁は3.5mmと、これまた微妙なところです。^^;
(胆嚢壁の肥厚は4mm以上で取ることが多いですよね)
壁内には、コメットエコーを多数、RAS様エコーと壁在結石もありそうです。

壁が全周性に軽度肥厚していて、内部にコメットエコー、RAS様エコーがあれば、まずは全周性の胆嚢腺筋腫症を疑いますね…?
だけどよく見ると、壁内に低エコー帯(sonolucent layer)があります。
それから、胆嚢床の肝実質部分に炎症を疑う低エコー がわずかに見えます。
それと、胆嚢内のデブリと結石から、炎症もあるのでは…?と思いました。
総胆管と肝内胆管の拡張は無しで良い?
胆嚢炎の所見もありそう…となれば、CBD内や肝内胆管もしっかり見ます。
CBDは7.1mmで、またまた正常値ギリギリライン…。十二指腸開口部までできるだけ追いましたが、明らかな閉塞起点は指摘できません。
CBD内部には結石は無さそうです。

肝内胆管はどうでしょう。
左右肝管は4mmくらい、肝内胆管は2mmで拡張と取ることはないけれど、
いつもよりも少し目立って描出されます。
(*左右肝管は8mm、肝内胆管は4mm以上で拡張です)

結局どうなったかというと
結局、エコーでは胆嚢結石、胆嚢線筋腫症に加えて、
軽度胆嚢の腫大とデブリ様エコーもあることから炎症もありそう、
総胆管や肝内胆管の拡張はない。
と返答しました。
その後、院内採血でT-Bil,AST,ALT,γ-GTPを測定しましたが、全て正常値でした。
でも、繰り返す軽度の右季肋部痛から、胆石発作ありとして総合病院に紹介となりました。
患者さんは手術を希望されているそうです。
症例ノート

