【腹部エコー】症例4 憩室炎

今回は憩室炎の症例です。
主訴と検査値とエコー画像
右側腹部痛の患者様。
- CRP 1.46
- WBC 7800
- 圧痛あり
- 反跳痛なし
とりあえず痛みのある部位にエコーを当てると、上行結腸壁の限局性の低エコー肥厚を認めます。

周囲脂肪織のエコー輝度上昇もあります。
カラードプラで血流をみましたが、カラー乗りません。
炎症の部位はここだよね…。
大腸壁の限局性の肥厚で、周囲脂肪織の上昇って言ったら、憩室炎を考えるけれど…。でも、いつもよく遭遇するような憩室炎っぽくはない…。
大腸から飛び出しているあのエコー像が描出できないなぁ。。とちょっと悩んで…
虫垂炎ではないと思う…
痛みの部位が側腹部よりやや下部だったので、「一応、虫垂炎の除外をしときたいなぁ」と思い、
右下腹部付近を走査すると、、回盲部付近にリンパ節の腫大が軽度あるではないですか…。

うーん…。。虫垂炎…ないよね…?と探すも、虫垂の描出ができません。
仕方なしに、Drに痛みの部位の上行結腸壁に限局性肥厚と周囲炎症像がありますが、はっきりとした憩室は分かりません。虫垂は描出できません。と報告しました。
私の勤めている職場はクリニックなので、エコーはあるけれどCTはなくって、血液検査も最小限のものしか測定できません。
結局この患者さんは、CRPの軽度上昇と圧痛あることから、虫垂炎が否定できないからと、他院に紹介となってしまいました。
他院のCT結果が返ってきてたので確認すると、『憩室と大腸壁浮腫』との診断で結果が返ってきておりました。
もっとしっかり憩室炎を疑う!と先生に強く言えてたら、わざわざCT撮りに行かなくてよかったのにね…💦
いつもの憩室炎のエコー像が描出できなかったけれど、こんな憩室炎もあるんですね!?
そう言えばこの前先生が、「憩室って壁が薄くなっているから、飛び出したり引っ込んだり、ペコペコしているんだよね」って言ってたから、たまたま飛び出してなかったのかも…。

憩室はできてしまったら、ずっと外側に飛び出しているものと思っていたわ…
副脾も認めたよ
同じ患者さんで、こちら↓副脾のエコー像です。

副脾だと思うのだけれど、脾門部のこのような像を見たら、リンパ節との鑑別をする必要があるって、勉強したので、ついでに記載を。
副脾だったら、エコーレベルは脾臓と同エコーレベルで、円形の形をしている。
リンパ節だったら、円形ではなくて、類円形とかちょっと形が違ったり、エコーレベルは脾臓より低いから、そこら辺で見分けられるみたい。
よし、次回からしっかりと鑑別できるようにしよう。
今回の症例ノート
今日の症例ノートです↓


憩室炎について少し調べてみたので…
参考にどうぞ↓

おわり。